私は岡山県に住み観光産業に従事している
暮らし始めて三年近く経つがいつまで経っても馴染めない
理由は明確かつ簡潔
1つに気候が肌に合わない
「晴れの国おかやま」を謳うが実は日本語として誤りがある。
降雨日数は通年全国比で極めて低い。つまり雨は少ない。しかし北部は頓に空は青くなく常に薄曇りの状態、要するに「年がら年中曇りで雨は降らないから傘は不要な国おかやま」なのである。
北アルプスのお膝元で長年暮らしていた。
冬は厳しい寒さと雪の中でオートバイにも自転車にも乗れない生活だが曇りは殆ど無く晴れか雨か雪という地域だった。春と秋は極めて短く夏も水着のお姉ちゃんが闊歩するなんてあり得ない地域だった。自然は厳しく観光客が多いためインフラコストも割高で暮らすのには美しく良い土地だが生活するには辛い土地だった。
しかし今ははっきり思う。そんな厳しい自然の土地に暮らしてこそ人は自然の有り難さや人々の有り難さが分かるのだと。
助け合わねば生きていけないからコミュニティーは今も残る。
若い内は大嫌いだった近所付き合いもそれが存在しない(薄い)土地に来るとなんと味のある生活かと思い起こす。
県民性は気候と環境が作るのだとよく分かる。
厳しい環境に育つ人は助け合う精神を持たねばならない。
ぬるま湯のような通年環境変化の少ない地に暮らす人々にはそれは邪魔でしかない。
二つに江戸の時代と変わりない超排他的閉鎖社会
田舎は何処も排他的である。
それに例外はない。
しかし岡山県のそれは少し特殊である。
岡山の人は温かいと岡山県民は自己分析しており、また観光客に代表される短期滞在者はそういう者が多い。
実は違うのだ。
岡山県民は利に賢い。
自分に得のある人物には優しく丁寧であり、自分に害する人間には徹底して辛辣である。
ある日の観光地レストランでの出来事である。
客 「すいません、お子様ランチとか子供の食べられるものありませんか?」
店員「そういったものはありません。」
客 「お子様ランチは無いんですか?」
店員「ですからありません。」
客 「じゃぁハンバーグとかスパゲッティとかはありませんか?」
店員「メニューに書いてありますのでご覧ください。」
客 「・・・。」
最初から「ハンバーグでもいいですか?」といえば客も店員も嫌な思いをしなくて良いのに慇懃無礼な対応をするレストラン店員。これは岡山では特殊な光景ではない。
店主や経営者にとって客は金を生む自分に利を運ぶ存在である。しかし従業員にとっては客は自分に利を運ぶのではなく搾取側の会社に利を運び自分には手間を残していく存在だから岡山でホスピタリティ精神を感じる経験はまず望めない。
しかし仕方ない一面もある。
岡山県の平均所得は極めて低い。しかも南北の格差も大きい。経営者は労働者を小作人程度の認識で低賃金で扱う人々が多く、労働者も低賃金故に労働意欲が低く生産性も低い。
更に南部の人は北部の人を「山奥の獣」位の差別意識を持っているのだから嘆かわしい。
但し、これが自分の友人や知人だと対応は180度異なる。
我が社の従業員の例で言うと
「ホント○○課長はいつも面倒くさい仕事とってくるよなぁ。手配する身になって考えないのかなぁ、頭悪いんじゃないのか」
などと毒づく人間が自分の客の時には掌返して
「この人には○%引きにして、あれを付けて、これをして上げて。普段俺が世話してやってる奴なんだけどさぁ、俺が面倒みてやらにゃならんから」と変化する。
そう、他人に厳しく自分に優しいのを地で行っている人達である。
三つに周囲を世間を見る目がない
10数年前瀬戸大橋が開通するのに合わせて大型投資をし前後数年はぼろ儲けしすぐに採算割れして倒産した観光産業が倉敷、岡山、高松近郊にたくさん出た。
その最たる例が倉敷チボリ公園とおもちゃランド
5年ほど前NHK大河ドラマで宮本武蔵を放映する前後に改装したり奇妙な看板や企画に大きな投資をした旅館が続発した。
彼の生誕地である現美作市にある湯郷温泉の入湯税収入は当時のおよそ半分である。
岡山倉敷近辺、総社市近辺、津山市近辺、美作市近辺に大型工業団地が行政主導で続々造成されている。既存の工業団地の入居率は平均50%に満たない。
県内の高速稼働率は山陽自動車道を除くと超赤字状態である。
しかし今も県東部を南北に縦断する高速道路を造成中である。8万人の街から2万人強の街へと・・・
この人達は箱モノ神話に今も取り憑かれている。
同じ失敗を延々と繰り返す。
時代は移ろいでいるのにここの人達は昭和30年代と思想志向に大差ない。
四つに低モラルである
岡山ではゴールデンタイムを除くTVCMでサラ金の宣伝を見ないことがない。
私の住む街は11万都市だがサラ金が中心部に大手中堅で10軒以上、自動店舗を入れれば市内に30近く見掛ける。もぐりは恐らくその数倍。
場外馬券場の大規模なモノがあり、もぐりの飲み屋はやはり・・・
右や左の組合さんがたくさん居る。
お出かけ着はジャージという方々が多い。
だから軽の1ボックスでフルスモークの凄い排気音のマフラーという車が凄く多い。
なのに宗教施設がべらぼうに多い。
喫煙率が高くポイ捨ては常識。
敬語は存在せず、商売人ですら「ありがとう」を言わない。
本屋の数が少なくコミック、週刊誌、月刊誌ばっかりで文学書は絶滅。
DVDショップではタイトル順や作家順ではなく価格順で陳列してあり目標作品の価格が分からないと探すのは困難を極める。
五つに自分の長所短所が分かっていない
県観光行政担当は「倉敷美観地区」と「岡山城と後楽園」を売っていればいいと思っている。
美観地区は狭いため現状も週末や繁忙期は飽和状態にある。岡山城は鳥城と名乗っているが全国的には同じ名乗りでも松本城の方が有名で歴史もある。
後楽園、悪くはないのだがだだっ広い芝生という感じでやはり兼六園には風情も貫禄も足元にも及ばない。
おまけに入れといてやるとばかりに美作三湯などと銘打っているがどこのことだか他県の人は殆ど誰も知らないということを分かっていない。
湯原温泉、奥津温泉、湯郷温泉なんて中京以東の人には名前も読めないどこだか分からないという現実を知らない。
よく知られているが横溝正史の有名な作品の大半は東京、那須高原、長野県、岡山県を舞台としている。岡山舞台のメジャー作品としては「八つ墓村」「悪魔の手鞠歌」「本陣殺人事件」「悪霊島」「獄門島」などがある。
「八つ墓村」実際に昭和13年に起こった事件がモデルであるために住民感情を考えれば軽々に扱うはならないと思う。
しかし私ならボンネットバスを仕立てて「本陣殺人事件ツアー」「悪魔の手鞠歌ツアー」を組むしポンポン船を仕立てて「悪霊島ツアー」や「獄門島ツアー」を組む。交通機関は敢えて旧く空調も効かなくて良い。映画ロケ地ではなく小説の舞台となった地を歩く。
「あのおどろおどろしい鍾乳洞の舞台はここですよ」とか「ここがあの有名な老婆が歩いていくシーンになった峠なんですよ」などと団扇片手に案内して廻る。
角川書店にタイアップを要請し毎週末岡山県内のどこかで「横溝正史を偲ぶ会」なんてのを設ける。
その昔、氏が滞在中に行き会った人々に思い出話を語ってもらい、舞台となった場所にスクリーンを用意し角川映画タイアップの元で映画を上映する。
石坂浩二氏や古谷一行氏、監督や他の出演者、関係者にも交代で参加を依頼し今一度横溝正史ブームを起こそう位の気概で望めばどれほど多くの客が来るだろうか。
竹久夢二の生家も岡山県にある。
これも殆ど売り込まれてはいない。
彼の縁の地としては長野県各地の方が有名であろう。
戦国武将の雄、北条早雲の生まれ故郷も岡山県である。
小田原市と姉妹として提携を結び観光売り込みを図れば小田原の北条びいきの方々が少しばかりでも望める筈である。
鬼ノ城という桃太郎伝説の鬼ヶ島のモデルとなった山城が今も残っている。
車で途中まで一本道を上がり徒歩で30分掛けて苦労して辿り着くと雄大な岩組の山城が眼前に現れる。
記紀の時代であるから「どうやって組んだんだ、運んだんだ?」と誰しもが疑問に思う雄大さである。
備中国分寺という法隆寺に似た五重塔を有する名刹がある。
法隆寺と異なり周囲に民家はなく田圃だけであり夕暮れ時や朝焼けに浮かぶ寺門や五重塔のなんと美しいことか。
これに感動しないようでは感性が錆び付いていると断言しても良い。
井倉洞という規模としては全国三番目だが学術的には特殊(よく分かりません、はい)な洞窟がある。なによりこの洞窟は横溝正史の小説に度々現れる洞窟のモデルだと言われている。
これほど他地域から移転してきた私には魅力的な素材があるのにこれらを真剣に売ろうとする観光関係者は皆無である。
弊社従業員にも何度口を酸っぱくしていっても「それは貴方の趣味だから」といった受け取り方しかしない。
そして備中国分寺の美しさを売らずに総コンクリート造りの最上稲荷という日本三大稲荷を自称(伏見、豊川に並ぶと)する不遜にも祭神お稲荷さんを弁天さんが足蹴にしている宗教的にも怪しげな社を一生懸命売り込む。
彼らの言い分は単純だ
「だってデカイ方がいいでしょう」「便利な方がいいでしょう、不便だと文句言われますよ」「良いんですよ、これで」
どこにも訪れる人々の視点はない。
私は自分勝手でモラルが低く、金に汚く、口汚く、向学心が薄く、視野の狭い岡山人が嫌いだ、大嫌いだ。
しかし愛すべき醜い岡山人にもいいところはたくさんある。
そして岡山には城下町風情や記紀の時代の名残を残す文化がたくさんある。
それらを軽視し新しいモノばかりを追う岡山人がやっぱり嫌いだ。
更に思う。
岡山人は日本人一般を鑑みて「本音で生きる、欲望に忠実に生きる」人々であり日本人の一面を象徴しているのだと。
だからこそ思う「人間、本音を語って生きていたら立ち行かない。建前を語るから潤滑油となって社会が廻っていく。本音は生産性を落とす劇薬」だと。
劇薬はここぞという時にピンポイントで使うから効果があるのだと。
もっと自分を見て、足下を見て、生まれ故郷を愛して、隣人を愛して、助け合って生きられたらこの街は美しい街になるのに・・・
http://brazier.iza.ne.jp/blog/trackback/291186
2007/09/06 00:35
こんばんは~!!!
岡山には行った事ないのですが、知ってる岡山出身者は結構こんな感じの人でしたねぇ。
まぁ、大金持ちのぼんぼんだったからかもですけど・・・。
このエントリは岡山に限らず観光業従事者にはとっても参考になると思いますー!!!
謙虚に研究する心さえあれば。
とりあえず自分は桃太郎気分を味わいたくなりましたぞ~!!!山城行ってみたーい!!!
2007/09/06 02:28
To 商人LV・6さん
>まぁ、大金持ちのぼんぼんだったからかもですけど・・・。
岡山は他県に比較して旧藩政時代の地位関係が色濃く残っています。田舎は何処もそうですし日本経済自体も旧財閥が多くを握っているのも替わりないのですが「御上と下々」という図式も強く残っているのを生活の端々で感じます。
友人に愛知県のラブホテルの息子が居たのですが分かり易い現金主義でした。だから付き合いやすかった。
こちらの人はそうではないので取っつきにくいし見下してるのが分かるからむかつく。岡山の人々が見下されていて何故むかつかないのか不思議だったのだが「御上と下々」が身に沁みているのかもと感じる日々です。
>とりあえず自分は桃太郎気分を味わいたくなりましたぞ~!!!山城行ってみたーい!!!
岡山県観光課や旅館組合、観光組合などが宣伝不足で全国的に知られていない史跡や遺産がたくさんあります。
瀬戸内の島々の風景なんかも1週間ただのんびり滞在しても飽きない美しさがあります。
即物的な商売せずにそういう時間や風情を売って欲しいと強く思います。それが訪れる人々の喜びに繋がるのだから金儲けしても何ら恥じることはない。金集めの為の観光、金集めの為の建物や企画だから卑しい。
2007/09/07 19:49
これ、為になるわ~。
私、去年から岡山について調べてるんですけど(趣味で)、実際に岡山行ったことないし岡山県人の知り合いもいなくって。
やっぱ実地の人の話はわかりやすいわ。
私が気になってることは、岡山って意外と人材輩出県じゃないですか。
それがなんでなのかな~、と。
教育県かと思ってたんですけどブラジエさんの読んでるとそうでもないみたいだし。
先取的だということはもちろん関係していると思いますが、郷土愛が薄く他県に流出している人の方が名を成していることが多いように思います。
岡山に残る人、出る人にも違いがあるのでしょうか?
最近岡山が舞台の映画多くないですか?『バッテリー』に『釣りバカ』。
JRも岡山キャンペーンやってるし。春に岡山の広告ばっかり貼ってる電車がありましたよ。
私なんかは岡山頑張ってるなーとか思うんですけど、やっぱそれは実際に行ってないからなんですかねぇ。
2007/09/08 00:03
元警察官の父に聞いた話ですが、岡山は知能犯の数が日本一だそうです。
でもって、警察官や教師になる人も多いとか~。
岡山人って賢い人(ズル賢い人含む)が多いのでしょうね。(笑)
そう言えば、岡山は宗教施設も多いのですよね?
新興宗教のメッカだと聞いたことがありますよん。
2007/09/08 12:12
To お猿小町さん
>私、去年から岡山について調べてるんですけど(趣味で)
どんな趣味???(笑
>私が気になってることは、岡山って意外と人材輩出県じゃないですか。
文化芸能人は人口比で云えばそこそこ排出してますがUターン率は低いでしょうね。外へ出ないと大成できないのだと思います。大阪人とは違うニュアンスの文句言いが多く常に批判に晒される環境では突出した個性は育たないでしょう。
そうそう岡山人は新しいもの好きです。地デジ対応機器の普及率全国一だそうですし・・・
新しいもの好きには必ず付いて廻る「すぐに飽きる」
>最近岡山が舞台の映画多くないですか?『バッテリー』に『釣りバカ』。
>JRも岡山キャンペーンやってるし。春に岡山の広告ばっかり貼ってる電車がありましたよ。
JRのキャンペーンは国の補助金を47都道府県持ち回りで行政に下ろし行政主導で国内旅行喚起を行う「デスティネーションキャンペーン」という代物でして順番が岡山に廻ってきただけです。毎年6月頃からどこかの県のCMばかり列車で見ると思うのですがこれは同じイベントです。
同キャンペーンが廻る時は行政も補助金が潤沢なのでしょうか、同時期に映画を誘致するケースが日本中に多く見られます。
2007/09/08 12:16
To みちこさん
こんにちは。
>元警察官の父に聞いた話ですが、岡山は知能犯の数が日本一だそうです。
>でもって、警察官や教師になる人も多いとか~。
へぇ、知能犯ねぇ。詐欺師が多いってきく詐欺師が知能犯ってことですかね?
警察官、教師より自衛官になる若者の数は人口比では多いと思います。
周囲は自衛官の親族ばかりです。冗談抜きで。
>新興宗教のメッカだと聞いたことがありますよん。
新興宗教はあまり見かけません。
創価学会も驚くほど見かけません。
替わりにモルモンだとか黒住教だとか比較的旧いけど世間一般の知名度が薄い宗派?が林立しています。
主婦が自転車で移動する範囲程度でも2~3施設は目にすると思います。


by 商人LV・6
定期検診ならぬ